感情から書く脚本術 カールイグレシアス著 島内哲郎訳

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キャラクターの個性を見せるのに有効な方法 キャラクターが感じることを見せるために、反対のことを考えている人たちを配置する。 孤独で寂しいキャラクターなら、楽しそうな集団に突っ込む。 正義と悪、道徳と利己主義、富と窮乏、ほとんどのドラマが対比される価値観を中心に据える 主役以外のキャラクターをどう紹介するか 1 他者にどう思われているか(噂話) 羊たちの沈黙 オープニング、レクター博士に会う前のクラリスにこういう人間だから用心しろという場面は、見本になる。 続く場面で、別の人間が、安全策を説明する。 観客はレクターという異常者に対面する前に手際よく紹介されている。 まだ見ぬ登場人物への興味を高める効果もある。 これが効果的なのは悪役。 2周囲の人にどう影響するか(人間関係) 「恋愛小説家」の最初のショット 幸せいっぱいの年配女性の顔がメルヴィンを見た瞬間嫌そうな顔をした。 それだけで、メルヴィンがどういう人間か想像できる。 3セリフ セリフによってキャラクターを明らかにすることは最も効果的。しかし、不自然で説明過多、鼻につくセリフは×。難易度が高い。 セリフの二、三行だけで、キャラクターの背景、職業、教育、性格、態度、ムード、感情までを表す。 4行動、反応、決断 何か言えば個性を見せられるが、言わないことでも見せられる。 行動をすることで見せ、しないことで見せる。 例)誰かが自分を殺そうとしてることを知った時… お熱いのがお好きのジョーやジュリーなら怯えた挙句、女装して女性だけの楽隊に紛れ込むだろう。 ゴッドファーザーのマイケルコレルオーネなら先手を打って相手を殺す。 北北西に進路を取れのロジャーソーンヒルなら困惑した後、なんとか誤解をとこうとするだろう。 「キャラクターの人格の深い部分は、その人がプレッシャーの高い状況で、どう振る舞うかによってあらわになる」というのは、シナリオ講師のロバートマッキーが言った。 対立の渦中に放り込めば良い。 俳優ベンキングズレーが、自分が演じるキャラクターについてインタビューを受けて言った言葉「誰でも限界というのがあります。限界まで追いやられた時に、必ず見せてしまう反応というのがあるのです。その時、ドラマが始まるんです」 つまり、あなたが書いたキャラクターがギリギリまで追い詰められたら何をするか、ということだ。 ん?これは、つまり、その場面を書く前に、あるいは書かなくても、設定の段階で頭に叩き込んでおけということか。なるほどby 出雲。 主人公、および周辺の人物だけだはなく、同じことが敵役でも言える。欲しがっているものを与えないことで、敵役を追い込む。そして、怒り心頭に追いやり、暴走するまで追い詰める。 ほんの小さな行動でも内面を反映するので、セリフよりずっといい。目の前の客にわざと安い酒を注ぎ、他の上客のために高い酒をとっておくなど。 5身振り象徴小道具 身振り、癖〜猫を撫でる。しきりに時計を気にする。 趣味や興味〜毎度女性を口説きまくる、ハッキングに勤しむ、食人嗜好を持つ。 小道具〜コロンボ警部のレインコート、インディジョーンズの鞭、グルーチョマルクスの葉巻。 嗜好を表すだけでなく、他の登場人物から区別する目印になる。 身振り〜考えるたびに見せる目の痙攣、毎朝泣く。 色彩〜ヒーローは白い帽子、悪役は黒(スターウォーズで、ルークは白、ダースベーダーは黒)。
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