感情から書く脚本術 カールイグレシアス著 島内哲郎訳

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キャラクターと読者を繋げる。 抜きん出たキャラクターに必要なのは謎。 謎めいた過去(能力と秘密) 何を明かして、何を隠すか選択する。そうすることで、読者の心にもっと知りたいという強い興味を抱かせる。 キャラクターが抱える秘密 恥ずかしくて明かせないような秘密、傷つくのが怖くて、または、危険なので明かせない秘密、その秘密を守るためならなんでもするようなものなら、なお結構。 キャラクターに不可思議な行動をとらせ、過剰な反応をさせる。また、何かを避けるような行動をすれば、読者は理由を知りたいと思い、何をしているのか勘ぐる。好奇心が刺激される。 謎めいた未来 強烈なジレンマを与える ーー 即座に読者の心と共感をつかむ技 人間は何かといちゃもんをつけたいものだ。キャラクターが登場した瞬間から品定めが始まる。一秒でも早く読者の共感を得てしまわなければならない。 キャラクターを見た読者がこれは自分のことだと思わせる 1犠牲者が気になる。可哀想だと思わせる。 2人間味あふれるキャラクターで共感を誘う。 3誰もが望むような資質で憧れを持たせる。 それぞれ、説明しよう、 1犠牲者、可哀想に思うキャラクター 何か酷い目にあっている人には情を持ってしまうもの。キャラクターを何かの犠牲者にすれば、即座に共感を得られる。特に効果的なものを挙げるが、下手をすると、古臭い手になりがちなので、工夫して今までなかったものにしてほしい。 ア)身に覚えのない扱い、不当・不正義、不平 度を超えてからかわれる。恥をかかされる、嘲笑の的になる、侮辱される、無視される、人種差別や性差別、濡れ衣による不正義。その扱いが残忍で無慈悲なら共感も2倍増し。 イ)予期せぬ不幸(悲しい運命、不運) 何も悪いことをしていないのに降りかかった不幸。最愛の何か、または、誰かを失う、運に見放される、とにかくついていない人。 ウ)身体的、心理的に不利な条件 ハンディキャップ、体が不自由、知的障害、何らかの依存症や難病、貧窮や経済的困難。 最終的に勝利を手にするキャラクター。 エ)逃げられない過去の深い傷 「普通の人々」で、溺死した兄に対する罪悪感に苛まれるコンラッド、モーツァルトを殺した罪悪感に苦悩するサリエリなど。 オ)弱みを見せる瞬間 希望を失い、どん底で脆さを曝け出しているキャラクター。 カ)裏切りと欺瞞 キ)本当のことを言っているのに信じてもらえない ク)見捨てられる ケ)除け者と拒絶 コ)孤独、無関心 サ)失敗と後悔 シ)怪我に苦しむ ス)危機 自分が関心のあるキャラクターが危機に陥るのは、誰でも大好き。 2人間味あふれるキャラクターで共感を誘う ア)困っている人を助ける イ)子供好き、子供に好かれる ウ)動物好き、動物に好かれる エ)心境の変化、または許し ヤクザの借金を踏み倒した男の親指を折りに行ったのに結局説教だけして帰るロッキー。 オ)命懸けまたは自己犠牲 カ)大義のために戦うあるいは死ぬ ク)誠実で責任感 ケ)誰かを愛している コ)みんなに大事にされている サ)一人でいる時に人間味を見せる シ)優しい振る舞い ソ)誰もが望むような資質で憧れを持たせる 見込みがなくても当たって砕ける
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