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やがて車が止まる、そしてゴトリとどこかに降ろされる衝撃と音がした。
「奴隷を連れてきたのか?」
「ひひひ上玉です、きっとお気に召すかと思います」
下衆な話し声が聞こえてくる。
真っ暗なので何も見えない、そしてそして助けを呼ぼうにも猿轡を嵌められているので叫ぶことも出来なかった。
やがてイーダに眩い光が差し込む。
あまりの眩しさに目を瞑るイーダ。
「ついたぞ!」覆面の男はこう言う。
「お、お前は!!」イーダを買ったとされる男が狼狽えを漏らした。
(お前はファウスト!!)ファウストだったその男は。
イーダは怒りの炎に包まれる。
そして拘束していたロープは燃えかすとなって地と同化し、猿轡もドロドロに解かれる。
「ファウスト!さっきはよくもやってくれたな!!」
イーダは筋肉もりもりになって激しいオーラを激らせながらファウストに向かう。
「おい貴様!なんでイーダをここに連れて来やがった!」
ファウストは覆面に怒鳴る。
すると「ふふふ…」と覆面は含み笑いをしだした。
「なにがおかしい!?」ファウストは聞く。
その奥にはチイチイが捕えられていたがチイチイはふと見た。イーダの姿を。
(あの子はイーダはん?ウチを助けに来てくれたんか??あん時はすまん事をしたな、明日香とミールを師匠にしたかったけんどごめんな、そしてそしてイーダはんどれだけ強くなっとるんかな?あとあとあの覆面の男、誰かと同じ匂いがする、誰なんやろ?)
チイチイは思った。
「ふっはっはっは!」
「何を笑っている!」
覆面が笑い声をあげているもんだからファウストは顔を真っ赤にして怒鳴る。
(どうしたんだ……?)
イーダもそう思っていた。
「まだわからんのか、俺の正体を!」
そして覆面は被っていた覆面を手で引きちぎった。
「!!!」
その正体を見て衝撃を受ける3人。
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