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水面。
何となく、海沿いを歩いていた。
淡々とすぎて行く日常に区切りをつけたかった。
煙草を吸うのと同じだ。
煙に巻かれた時間で、同じことを五分。
それだけで心が晴れた。ほんの少しでも。
何となく本数が増えた。
気づけば月の出費は九万を超えた。
煙草を吸っている時間は、なにも考えなくて良かった。
解放された時間だった。
何となく繰り返し生きていた。
特別なことなどなにもないまま、日々老いていくのは自分だけ。
情報社会なんだ。
いついかなる時も、聞きたくないこと見たくもないことも脳内に刻まれて行く。
蓄積されて行く。
テレパシーとほぼ同義なんじゃないか。
世間に怯えている。
また今年も夏が来た。
何かが始まるようで、なにをしても許されそうで。
気づけば終えてしまう夏に、ひどく恋焦がれていたのに、いざとなると終わって行くことへの焦燥感がすごい。
夏が来る準備もできていない。
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