12.事件

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☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩ 木組みの家では、フィオナとリゼルが10時のティータイムを楽しんでいた。 「このジャム、甘酸っぱくて美味しい!どこで買ったの?」 スコーンにたっぷりのジャムを乗せ、かぶりついたリゼルが目を丸くする。 「それ、うちの庭に生えてる野イチゴで作ったジャムだよ。たくさん作ったから、どんどん食べてね」 「フィオちゃんの手作り!?どうりで美味しいと思った!」 こうして、紅茶も焼き菓子もすっかりなくなった頃、それは不意に訪れた。 光玉が木の壁をすり抜けて、フィオナに向かって近づいてくる。 「…あれ?また、エリオス様からかな?」 フィオナもリゼルもめをぱちくりさせながら、光玉を受け取ると。 送り主はしかし、エリオスではなかった。 「フィオナ様…!お願い、助けて…!!」 「サリア様…!?」 光玉からは、明らかに取り乱した様子のサリアの声が、響いてきたのだった。 「フィオナ様、クラウス様が…クラウス様が!」 「落ち着いて、サリア様!クラウス殿下に何があったの!?」 フィオナが問いかけると。 「分からないわ…でも、紅茶を飲んだ途端、急に苦しみだして倒れてしまったの。お顔の色が真っ青で、滝のような汗で…」 サリアの声の後ろから、人々のどよめきが聞こえてくる。現場は相当混乱しているようだ。 「サリア様、今どこにいるの?」 「王宮の庭園よ。クラウス様と一緒に、お茶会に参加していたの」 それを聞くなり、フィオナは家を飛び出した。 「あっ…ちょっと、フィオちゃん!」 リゼルも慌ててライフルを背負うと、フィオナの後を追いかけた。
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