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木組みの家では、フィオナとリゼルが10時のティータイムを楽しんでいた。
「このジャム、甘酸っぱくて美味しい!どこで買ったの?」
スコーンにたっぷりのジャムを乗せ、かぶりついたリゼルが目を丸くする。
「それ、うちの庭に生えてる野イチゴで作ったジャムだよ。たくさん作ったから、どんどん食べてね」
「フィオちゃんの手作り!?どうりで美味しいと思った!」
こうして、紅茶も焼き菓子もすっかりなくなった頃、それは不意に訪れた。
光玉が木の壁をすり抜けて、フィオナに向かって近づいてくる。
「…あれ?また、エリオス様からかな?」
フィオナもリゼルもめをぱちくりさせながら、光玉を受け取ると。
送り主はしかし、エリオスではなかった。
「フィオナ様…!お願い、助けて…!!」
「サリア様…!?」
光玉からは、明らかに取り乱した様子のサリアの声が、響いてきたのだった。
「フィオナ様、クラウス様が…クラウス様が!」
「落ち着いて、サリア様!クラウス殿下に何があったの!?」
フィオナが問いかけると。
「分からないわ…でも、紅茶を飲んだ途端、急に苦しみだして倒れてしまったの。お顔の色が真っ青で、滝のような汗で…」
サリアの声の後ろから、人々のどよめきが聞こえてくる。現場は相当混乱しているようだ。
「サリア様、今どこにいるの?」
「王宮の庭園よ。クラウス様と一緒に、お茶会に参加していたの」
それを聞くなり、フィオナは家を飛び出した。
「あっ…ちょっと、フィオちゃん!」
リゼルも慌ててライフルを背負うと、フィオナの後を追いかけた。
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