13.謀略

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☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩ 夕刻。 クラウスは自室のベッドに横になり、ぼんやりと窓の外を眺めていた。 ここのところ激務が続いていたので、一日寝て過ごすなど久しぶりだ。 幸い毒の後遺症も残らず、起き上がっても何ら問題はないのだが、とてもそんな気力はなかった。 ――コンコン。 唐突に響いたノックの音。一瞬の後、開いた扉の向こうに居たのは。 「…エリオス」 部屋に入るなり、エリオスはクラウスを一瞥し。 「…具合はどうだ?」 枕元までやってきたエリオスから、クラウスは視線を外し、再び窓の外を眺める。 「要件は何だ。単に見舞いに来たわけじゃないだろう」 エリオスは、近くの椅子にゆっくりと腰を下ろした。 「…確かめに来た。お前が一体、何を考えているのか。」 エリオスの射るような瞳にも、クラウスは表情を変えない。 「あんな真似をして…フィオナを、どうするつもりだったんだ?」 しばらくの間、クラウスは口を閉ざしたままだったが。 「…別に、どうするつもりもない。ただ試してみたかっただけだ」 「試す?」 エリオスが怪訝そうに訊き返すと。 「世がもてはやす“愛”などという代物が、どれだけ確固たるものなのかどうか。」 ここでクラウスは、にやりと皮肉気な笑みを浮かべて見せた。 「フィオナのお前に対する“愛”も、少しつつけば壊れると思ったんだけどな」 「そんなことのために――一歩間違えれば、フィオナは大ケガじゃ済まなかったんだぞ!?」 気が付けばエリオスは、立ち上がってクラウスの胸ぐらを掴んでいた。 二つの視線がぶつかり合う。 …が、クラウスはすぐに、無気力に横を向いてしまった。 「…フィオナには、申し訳ないことをしたと思っている。まさかお前のために、身投げまでするとは思いもしなかった」 クラウスの様子に、エリオスも手を離すと、苦い表情で椅子に座り直す。
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