行ってみっか

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 変わらず婚活に対してアグレッシブなようで、そのバイタリティに感心してしまう。 「そっか。大変そうだけど、頑張れ」 「ありがと。矢城はどうなの? 順調?」 「ん? まあまあかな」  私は曖昧に答える。一体何が順調で、何がまぁまぁなのか自分でもよく分からないけれど。  そんな私の反応を見て、由香里が笑う。私は、この笑顔が好きだと思う。彼女の屈託のない明るい笑顔は、見ているだけで癒される。  そんなことをぼんやりと考えていると、ふいに、由香里が何かを思い出したようにスマホを取り出し、画面をこちらに向けた。画面に表示されていたのは、どこかの結婚式場のようだ。白を基調としたチャペルの写真が載っている。  突然のことに驚いていると、由香里が悪戯っぽく笑みを深める。 「私、ここで式挙げようと思って」  一瞬、言葉の意味が理解できなかった。 「え? だってさっき、婚活上手くいってないって……」  私の質問に、由香里は、あっけらかんとした様子で答える。 「うん。そうなんだけど、なんか目標があった方がやる気出るじゃん? だからとりあえず、ここを目標にして婚活がんばろーって」  そう言って、由香里は楽しげに笑っている。私は呆気に取られながらも、由香里が見せてきたウェブサイトに目を向ける。  確かに、女性が憧れそうな豪華で煌びやかな写真がいくつも並んでいる。特に、チャペル内のステンドグラスがとても美しい。ふと、あることに気付き、私は首を傾げる。 (あれ……この写真、どこかで見たような……)  記憶を辿る。そして、ようやく気付いた。 (ああ、そうだ。理沙の結婚式もここでやるんだ)  理沙から結婚式の招待状を受け取ったときに、場所を確認するためにネットで検索したことを思い出す。 「ここって、あのホテルじゃない?」  私が尋ねると、由香里は嬉しそうに大きく何度もうなずいた。 「そうそう。すごいね。やっぱり分かるんだ。新規プロジェクトのクライアントだから、そりゃ、当たり前かぁ。あ〜あ、私が式挙げるときは良心的な価格にしてくれないかしら」  そう言って、由香里は楽しそうに笑う。 「え? ク、クライアント?」  思いがけない情報に、私は戸惑ってしまう。私が驚く姿を見て、由香里が目を丸くする。 「う、うん。営業部の新規プロジェクトのクライアントだって聞いたよ。違うの?」  私は慌てて首を傾げる。全然知らなかった。 「まだ本決まりじゃないからって、クライアントがどこか、教えてもらってなかったの」
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