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二人の夜
二人が甘い気分になっていると階下から
「布団と寝間着の浴衣置いといたから、それ使ってね。早くお風呂入って寝なさい。お休み」
とすべてお見通しのハルの部屋のドアがバタンと閉じた。
「えっ〜? この部屋で一緒に寝るの?」
「決まってるだろ! 俺、廊下で寝るのは嫌だよ」
梨花は
「私、お風呂先に入るから、布団は自分で敷いてね」
と逃げるようにその場から離れた。
梨花がお風呂からあがると、翔太は、梨花のベッドのすぐ下に敷いた布団の上でメールチェックしていた。
「ヤダ〜! こんなにくっつけないでよ」
「へえー? ベッドから落ちるほど寝相悪いのか?」
「違うわよ! いいから早くお風呂入って!」
翔太はそそくさと風呂にはいり、湯上がりに用意してもらった男物の浴衣に着替え部屋に戻った。
ベッドの横のテーブルランプの仄かな灯りだけが、部屋を照らしていた。
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