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スクランブル交差点で!
不思議な光とともに引き寄せられた二人。
ふたりは交差点の真ん中で、しっかりお互いの温もりを確かめあっていた。
「翔太? 翔太だよね!」
「あ〜あ! 俺だよ! 翔太だよ。梨花! 会いたかった」
「バカッ! 今まで何処へ行ってたのよ。探し回ったんだから・・・」
「ゴメン! 迎えに来るのが遅くなって!」
信号が赤になり、自分達の気恥ずかしい状況に、急いで梨花が向おうとした歩道の方へ二人で手を繋いだまま走った。
無言のまま、道玄坂を登り人気のない路地に迷い込んだ。
翔太の頭の中では、何処か落ち着いて話ができる場所を探していた。
躊躇しながらも足を止めたのは、シックな外観のラブホテル。
繋いてきた梨花の手が一瞬緊張したのがわかった。
「誰にも邪魔されず、ゆっくり話がしたい。 梨花の嫌がることはしないから・・・」
梨花の顔を伺うように見つめた。
梨花も、頷いた。
ドアを開け、急いでチェックインしようと財布を探していると
「うわぁ~! 面白そう♪ ねぇねえ? ここ! この部屋がいい」
「えっ?」
梨花の思わぬ反応に驚き、指の先を見ると、部屋の紹介パネルに満天の星が映されたプラレタリウムのような部屋が。
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