初めての体験

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初めての体験

部屋のキーを受け取り足早に向かう間も、梨花は興味深そうに嫌がる様子もなく、むしろ楽しんでいるようだった。 キーを回しながら 「梨花? 何か勘違いしてないか?」 「何を?」 「ここ、ディズニーランドじゃないぜ!」 そう言ってドアを開いたが 「いやいや! ディズニーランドのミ二ーちゃんの部屋みたいに可愛いいし、面白そう♪」 目の前には、可愛いい大きなボタニカル柄のカバーで被われた、お花畑のようなダブルベッドがドンッと置かれていた。いかにも女の子の好きそうな部屋だった。 梨花は、ベットの頭に数個のボタンを見つけ、興味津々で押してみた。 静かにベットが波打つのを見て、 「えっ? 何々? どうしてこんなになるの? なんで?」 梨花の質問に俺は口をつむんだ。 梨花の頭の中は、きっと小学生で止まっているんだろうと・・・ 梨花が次のボタンを押すと、部屋のライトが消え、天井に満天の星が現れた。 「うわぁ〜! 綺麗!」 目を丸くして天井の煌きを眺めている。 「翔太! ここ! ここへ来て」 ベッドに横たわり、上を向いたまま手を叩いて横に俺を呼ぶ。 俺は、言われたままそこへ横たわって良いのか、考えあぐねていると 「何やってるのよ。 ほら! プラレタリウムを見て!」 あ〜あ、そういうことか、ゆっくり梨花の隣に仰向けになって上を見た。
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