懐かしい向日葵へ

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懐かしい向日葵へ

「あつ! 私の携帯だ」 ヘンテコな携帯呼び出し音にいっぺんに現実に戻された。 「母さん? うん! これから帰るね。懐かしい人連れて帰るから。うん! うん! 夕飯宜しくね」 梨花は、スマホをバッグにしまい、帰り支度をしている。 俺も、ホテルの時間はまだあるが、懐かしい人に早く会うために、梨花と手を繋ぎ電車に乗った。 高校生の頃に幾度となく通った、忘れられない駅に着いた。 行きたいとずっ―と思っていたが、二度と来ることはなかった大好きな場所(向日葵) 向日葵の扉を開けると、 「翔太! ちょっと待っててね。母さんにサブライズするから、後ろへ隠れていて!」 「母さ〜ん、ただいま! ちょっとこっち来て!」 「いま手が離せないのに・・・急にお客を連れてくるなんて言うから・・・」 ハルがカウンターの中から振り向くと、梨花の後ろから翔太が顔を出した。 「えっ? し、翔太? 翔太! だよね? いったい何処に消えてたのよ!」 と言うなり、翔太に駆け寄り抱きしめていた。 「すみませんでした。ご心配をおかけしました。北海道から帰って、今は東京にいます」 「後でゆっくり聞くから、さっ! 上がってご飯食べましょう。 今夜はロ―ルキャベツよ。沢山あるからゆっくり食べてね」 3人で2階に上がると、そこにはもう1人? 待ちわびていた彼女がいた。
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