プロポーズ

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梨花が仁王立ちになって怒っている。 「翔太! それを私より先に母さんに言う?」 「えっ? 何を怒っているんだ?」 翔太はポカーンとしていたが、梨花は呆れ顔で、さらにヒートアップしてまくしたてた。 「だから・・・それだから、私とのことだって時間がかかったんじゃないの? 自分のことだけですぐ突っ走る。周りが見えてないのよ」 と言い残して自分の部屋へ戻って行った。 「翔太! プロポーズは本人に一番最初に言わなきゃ駄目よ。早く部屋へ行って謝んなさい。ほら! 早く!」 ハルにせかされて、まだ梨花に何も言ってなかったと気づき、バタバタと梨花の後を追った。 「ゴメン! 俺、すっかり梨花とは一生離れないって言ったから、了承したものだとばかり勝手に思ってた」 翔太に背を向けてバラを見つめ 「最後に会ったTDLの時だって、あんな麗ちゃんがいる所で告られたって、私は何も言えないでしょ? もっと時間が経てば私だつていい返事出来たのよ」 「そうなのか?」 梨花は振り返り 「はぁ〜っ? もっと良く考えてよ! 駅で私が子供の手を繋いでいたのだって、考えれば分かるでしょ? あの子は4才よ。私が産むには高校生で妊娠したことになるでしょ?」 「赤ん坊と子供の区別はつくけど、2才と4才は区別つかないし、梨花が保育士になったのも知らなかったし・・・ゴメン!全部俺が悪かった」
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