第一章 ポトフの良い香りに誘われて

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「お好きな席にどうぞ~うふふ」 その女性はにっこりと微笑みを浮かべた。唇に塗られた赤リップが印象的だった。 さやカフェの店内は木の温もりを感じ壁やランプなどの調度品に年季を感じそのレトロな雰囲気になんだか懐かしさを感じ落ち着く空間になっている。 席は、二人掛けのテーブルが四つ。四人掛けのテーブルが四つにそれからカウンターが八席あった。 わたしは、窓際のカウンター席に座った。テーブルの上に置かれているメニューに手を伸ばしぱらぱらとめくった。 メニューには美味しそうな食べ物がたくさん並んでいるけれど、わたしが食べたいものはこの野菜の煮込んだ香りがする食べ物なのだ。 「店員さん、すみません」 わたしは、店員さんを呼んだ。 すると、先程わたしを出迎えてくれた美しい女性が笑顔を浮かべわたしのテーブルにやって来た。
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