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わたしとお母さんは迷いに迷った末メニューを決めた。
わたしは、カレーライスとコンポタージュ。お母さんは、ナポリタンパスタとコーンポタージュだ。
「未央さんがカレーライスとコーンポタージュでお母様はナポリタンパスタとコーンポタージュですね。では、少々お待ち下さいね」と復唱しさやさんは再び厨房に戻る。
「うふふ、料理が楽しみだわ」
「きっと、ほっぺたが落っこちること間違いなしだよ」
わたしは得意げに胸を張って見せた。
「あらあら、まるで未央ちゃんが料理を作るみたいじゃないの」
お母さんは口元に手を当て可笑しそうに笑う。
「だって、さやさんの料理は本当に美味しいからつい自分のことのように自慢したくなってしまったのよ」
「未央ちゃんってば本当に素晴らしいオーナーさんと住まいに出会えたのね」
お母さんは、そう言って目を細めた。
「うん、まあね……」
さやさんも素敵な女性でさや荘もお気に入りではあるのだけど……。
「未央ちゃん、浮かない表情だけどどうかしたの?」
「ううん、どうもしないよ」とわたしは笑ってみせた。
その時。カランカランとドアベルが鳴った。わたしは扉に視線を向けた。
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