第二章 手紙

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「お待たせしました~さや特製のカレーライスとコーンポタージュです」 さやさんの艶やかで明るい声が聞こえてきた。今、カレーライスとコーンポタージュと聞こえたような気がするのだけど。 わたしは、声がする方向に視線を向ける。すると、やはり黒コーデの女性が座るカウンターテーブルにカレーライスとコーンポタージュが置かれた。 わたしと同じメニューを注文するなんて……。偶然同じメニューを選んだだけかもしれないけれど、なんだか嫌な感じがする。 「あら、カレーライスとコーンポタージュ人気があるのね」 お母さんも黒コーデの女性の席に視線を向けた。 「そ、そうだね。うん、このカレーライス美味しいもんね」 確かにカレーライスは定番のメニューかもしれないけれど、セットメニューでもないのにコーンポタージュまで注文していたなんて信じられない。わたしの真似をしたのかな。なんて考えてしまった。 せっかくのコーンポタージュだけど飲みたくなくなりそうだ。
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