プロローグ

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あら、とても綺麗な手だわと思いながら、「ありがとうございます」とわたしはにっこりと微笑みを浮かべお礼を言った。 我ながら最高に美しいさやスマイルだと思う。うふふ。 そして、わたしは助けてくれた男性の顔に視線を向ける。 「無事で良かったです」 男性はにっこりと微笑みを浮かべた。 「あっ!」 わたしは思わず声を上げてしまった。だって、その男性は肌が白くて透明感があり目鼻立ちが整った目を見張るほどの美形だったのだから。男なのにシミひとつない肌かも。 このわたし森口さやに負けず劣らずの美形ではないか。美しいと言う言葉はこのわたし『森口さや』だけのものなのに……。 「……あのお嬢さんどうかされましたか? お怪我でもされたのですか?」 男性は甘く整っているその顔にふわふわふわりと優しい笑みを浮かべた。 「怪我はしていません、大丈夫ですよ」 「そうですか。それは良かったです。あ、そうだ良かったらお茶でもしていきませんか?」 「はぁ? お茶ですか?」
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