ナニかやっちゃいました!?

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ナニかやっちゃいました!?

「▲○◇◎■!」 「○★◇●□▽!」 ああ、もう、うるさいな。 それにしても、言葉が通じなくても悪口っていうのはなんとなく分かるものなんだな。 くぅにやられた連中も、どうにか五体満足ではあったのでここまで引きずってきた。……コハクが。 簡単には手当てしたので、これからこき使ってやる予定なのだ。 ちなみに、チャビの「回復」ではないので傷も痛みもまだちゃんと残っている。 まぁ、それだけのことをしたのだから当然の報いだろう。 と思ったのだが。 ぎゃあぎゃあと、口だけはよく動くようだ。 くぅや大きくなったりゅうたろうがぐるると唸るのを見て、ようやく少し静かになった。 だが、まだ私を反抗的な目で見ている。 くぅに永眠させられる前に、止めに入ってやったというのに……。 まぁ、くぅも散々痛めつけて気がすんでいたらしく、あっさりおやつに釣られたのだが。 「ここ」 エアラが指差した場所に、小さな畑があった。 しなびかけたような、生育の悪い作物が植えられている。 周囲はアスファルトのようなもので固められ、ここだけがわずかに地面が見えていた。 ……これでは、作物が満足に育たないはずだ。 私は無限収納から大鎌を取り出した。 火の神様とドワーフの鍛冶師であるナロクが造ってくれた特別製だ。 ……少し特別すぎるので、取り扱い要注意だがな。 紅い刃からは軽く振るだけで炎が舞い、柄は非常に軽くて丈夫だ。 柄で軽く小突いただけで、大きな岩も粉々になった。 「エアラ、危ないから離れていて。りゅうたろう、お願い」 りゅうたろうが、戸惑うエアラを背中に乗せた。 猫達は自力で避けるだろうし、コハクは少し離れたところで旋回しているので問題ない。 あいつらは……、まぁ、いいか。 私は大鎌を振りかぶった。 「うおりゃああああ!!」 力いっぱいアスファルトもどきに向かって振り下ろす。 大鎌の柄が触れた瞬間、アスファルトもどきは粉々に砕け散った。 破片すら残らない。 粉塵が舞い上がる。 「福助、吹き飛ばして!」 「にゃ!」 福助が張り切って鳴いた。 きらきらしたものが、福助の身体の回りで踊るように跳ね回った。 風の精霊達だ。 福助の「風魔法」が、アスファルトもどきの粉塵はおろか、周囲の砂さえも吹き飛ばした。 土が、大地がようやく顔を出した。 「ん?」 はるか遠くで、朽ちかけたビルがゆっくりと崩れていくのが見えた。 え、まさか、これ……? 私は手に持った大鎌をちらりと見た。 あー、えーと、「私、ナニかやっちゃいました!?」。
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