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「久しぶり、って言うほど久しぶりでもないか」
話をするのは図書室以来で、緊張する。
「高橋さん」
「ん?」
「最近は図書室には行かないんですか?」
「いろいろ忙しくて。将宗くんも部活忙しいんじゃ」
「別にオレがいなくても、なんですけど」
「ふーん。じゃ、夏休みに入ったら、お願いしてもいいかな」
「何を?」
「それはまだ……。内容を訊かずに引き受けてくれるなら有り難いな。実はまだボクの頭の中にしかないから。あと、実質二日の拘束ね」
「メッチャ怖いんだけど」
「怖いことじゃないから、ダメかな」
「今日、助けてもらっちゃいましたから、断りづらいです」
「それなら、OKってことで。夏休み入ったら電話するわ。そろそろ電車が来る。じゃあ、ぼくは行くから。またね」
「じゃ、また」
オレは高橋さんとまた会える。その約束をしたのだと思って「じゃ、また」と返すことができた。
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