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徒歩通学や電車通学、そして自転車通学を選択できることになっている。ところが、自転車通学を申請しても、校内の駐輪場に入りきらない懸念からか通学距離が一キロ半を超えないと許可が出ない。ちょうどというか微妙な距離のオレより遠い二キロ超えのアキが、ランニングにいいと徒歩通学を選んだと聞かされ、オレも歩くしかないと思ってしまった。今考えると早まった気もしなくもない。
駅の中を横切るとほんの少しだが時短になる。当初からそんなに大きな駅ではなかったし、田んぼもあちこちにあったらしい。ただその回りに段々と家が増えて、電車通学の高校生のためにもと地域からの懇願で作られた東口へは一方通行の道路を渡って入るしかないのである。
通勤時間や登下校の時間は歩行者信号の手前に大勢が溜まることになる。図書室に寄っただけのオレも帰宅部の下校に混ざる。そして、同じ制服の後ろで信号が変わるのを待っていた。
大勢の中を自分の歩幅で歩くと前の人の足を蹴ってしまったり、靴を踏んでしまうことが結構ある。それを避けようと人混みでは足下を見ていることが多い。前が開けたので、オレは歩き出した。
「将宗、危ない!」
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