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精神科受診のきっかけ
30歳の夏。買い物に行った母を駅まで迎えに行きました。家から3分くらいの一本道。行きはなんともなかったのに、母の荷物を持って帰り道を歩き始めたら例の離人症・現実感消失に襲われました。
これは過去一番ひどいもので、
「突然、目に見えるものが現実かどうか何も信じられず、まるで夢の中にいるようで、生きている実感が全くなく、母の声も耳は聞こえているけど遠くに感じ、自分の存在すら実現しているのか全く理解できなくなった」
のです。頭は朦朧として前後不覚になり、怖くて怖くて逃げだしたくなり、無我夢中で走り出そうとしました。
すぐ異変に気づいた母は、車道にでたら危ないと私を取り抑えようとして、気がついたら母が背中に乗る形で道路に倒れていました。
少しずつ現実感がわいてきて、ん? 肘が痛い。倒れたからだろうか? とぼんやりですが意識が戻ってきました。肘はどんどん赤く腫れて痛みが強くなってきたので、整形外科を受診してみたら、右肘を骨折していました。
整形外科にいる時も夢か現実か分からない朦朧とした感覚に襲われ続け、初めて家族の存在すらも本当に実在しているのか曖昧な状態に。
中学時代から波のように押しては引いてを繰り返してきた症状。もう誤魔化すのは無理だと諦め、近所の心療内科に行くことにしました。
心療内科で心理テストを受けました。ここ1ヶ月以内にこんな症状がありましたか? この2週間以内にこんな症状がありましたか? といった内容です。
医師から、
「躁うつ病(双極性障害)だ」
と宣告され、目が点になりました。
えっ? 私に起きている症状はパニック障害のひとつだと思っていたのに、躁うつ病?、心の病気? 診断結果に戸惑いました。
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