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ツヤのある黒髪に、つぶらな瞳。 右目の下の泣きぼくろに、小さく肉厚な唇。 僕ー川瀬由貴の幼なじみの岸野葵は、 年々かわいさが増してきている。 内気で控えめだが、心根がとても優しく、 一緒にいると岸野の言動に感激さえ覚える。 同じ街に生まれ、同じ学校に中学まで通い、 僅かな学力の差で高校は離れたが、 この春再び大学で机を並べることになった。 幼なじみで親友というスタンスを守りつつ、 僕はチャンスを狙っていた。 岸野に自分の気持ちを伝えたい。 その日は目前に迫った、クリスマスイブ。 今年は2人きりで過ごしたいと 勇気を出して誘いたいと思っていた。
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