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12月3日、土曜日。22時。
コンビニのバイト上がりに
スマホのメッセージアプリを開くと、
愛しの岸野から画像と共にメッセージが
届いていた。
『同じ学部の佐橋くんと一緒に、
クッキーを作りました。おいしくできたよ。
明日、バイト休みでしょ?食べに来て』
画像はクッキーの入った小さなカゴを
顔の前に掲げた岸野の笑顔。
この幼なじみの趣味は、料理とお菓子作り。
ここ数年は韓国コスメにハマり、
スキンケアを欠かさないという。
ホント、女子力高いなと笑みが漏れた。
『連絡ありがとう。まだ起きてる?
最近、佐橋と一緒にいることが多いな。
明日起きたら、岸野んちに行くよ』
そう返信し、自転車に跨った。
岸野に片想いを始めたのは、中学2年から。
当時ちょっといいなと思っていた女の子が
岸野と仲が良くて、たまにお菓子作りで
岸野んちを訪れると知り、意外な交流に
逆に岸野に興味を抱くようになったのだ。
一度意識してしまうと、
何でもかわいく見えてしまうのは
きっと恋をしているからだ。
岸野の魅力にどんどんハマる自分がいた。
高校が別れ、あまり会えなくなっても、
頻繁に連絡を取り、恋心を温めてきた。
片想いを始めて、5年。
すっかり機は熟した。
クリスマスイブに告白をする前提で、
2人きりで過ごしたいと言うつもりだ。
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