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二度目の約束
キッカとはあれから直接話をして、お互い納得して友達に戻った。
「ごめんね、私もトモとは友達がいいかも」
練習は変わらず一緒にやるけど、いつも側にいることが無くなった。
キッカはヤスユキ先輩といる姿をよく見かける。やっぱり先輩のこと好きだったんだなあ。それでもつきあってくれたキッカは優しい子なんだと思った。
歌うことを辞めずに済んだユウヒとは、あれからつきあっていて、事務所の計らいで見つからないように会う事が出来ている。例のプロデューサーや、マネージャーとかは解雇になったらしい。
ヤマガミ社長には、ちゃんと大学を卒業したいので、まず卒業できるだけの単位を先に取らせてほしいと頼んだ。もうすぐ僕は大学三年になる。
「ねえ、トモ、高校の時の卒業発表で一緒に踊ろうって約束したの覚えてる?」
「うん。もちろん覚えてる。踊れなくて残念だった。ユウヒは卒業式も来ないしさ~」
「ゴメンゴメン。あの時はデビューで頭いっぱいで……。あのね、」
「何?」
「トモが大学卒業するときに、一緒に踊れたらなって思って。私も練習たくさんするから!」
「今度こそ約束守ってよ?」
「うん、必ずね」
僕たちは指切りをして、二度目の約束をした。
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