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「ななせ、もしかして、こえでない?一ヶ月も寝てたから喉が動かないだけ?」
『わからない』。言葉の代わりに首を横に振る。
七瀬は少し体を起こそうとした。しかし腕に力が入らなくなっていた。
突然のことに戸惑い、目から一筋の涙が流れ落ちる。
「っ、、、七瀬っどうした?」
答えることのできないもどかしさと、思い通りに動かない腕,段々と焦りが浮かび始める。
七瀬が何をしたがっているか察知したあやとはベッドのリクライニングをおこした。
上体を起こして、少し視野が広がった七瀬はキョロキョロとしてみた。
自分の手足はこれまで以上に細くなってしまっていた。
右腕には点滴の痕と思われる青黒い点がたくさんでき、胸には心電図,口には酸素マスク、そのほか沢山の機械に囲まれていた。
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