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ガラガラーーーーーー
「綾坂先生‼︎目が覚めましたか!よかったです。体温測りましょうか」
いつのまにかあやとがナースコールを押していたようだった
返事の代わりにゆっくりうなづく七瀬。
数分後に測定完了のアラームを鳴らした体温計は37.9℃というなんとも微妙な数値を叩き出した。
「たか、、、七瀬の平熱って35℃台だよな、、、しんどいよな、ごめんな、、、」
あやとが謝ることではないのに…『ごめんね』。
痛み止めも切れかけていて、七瀬を不快感と激痛が襲う。
心臓が、肺が、圧迫されているようにギュッと締め付けられ、七瀬は思わず胸を掴んだ。
(うっ、、、
「ななせ?どうした、大丈夫?胸が痛い?痛いよなぁ…今痛み止め入れてもらうからな…」
(うっ、、、くっ、、、ケホッ う…ぁ…
「七瀬!!大丈夫!?」
七瀬は見てもとても苦しそうであやとはできることなら代わってやりたい。と思いながら七瀬の頭を撫で、少しでも痛みから逃れられるように強く手を握り声をかけ続けた。
「綾坂先生〜わかりますかー?痛み止め持ってきました。打ちますよ〜」
七瀬はもう何が何だかわからなくなっていた。とりあえず死にそうなくらい苦しいこの状況をなんとかしてほしかった。コクコクと頷くと、看護師は七瀬の左腕に点滴をつなげ直し、即効性のある痛み止めも打った。
七瀬はビクビクッと痙攣し、パタリと意識を失った。また、心電図がアラームを鳴らし始め、心拍数は徐々に低下していった。呼吸も止まりかけている。
「やっぱり。昔の環境が、今に影響を与えているんだろうな…
こんなにっちっちゃい体でっ…いろんなことに耐えて、、、きたのにっ、、、まだ試練を与えるのか…七瀬はもう十分すぎるほど苦しんできたのに…」
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