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ピピッピピッ
体温計が鳴った。
七瀬が死んだように眠ってから丸3日が経った。その間も生死を彷徨い、今は40.1℃もの高熱を出している。
寝ながらはぁっはぁっと苦しげに息をする七瀬を見てられなくて、あやとはごめんな…と無意識に呟いていた。
ガラガラ…入ってきたのは岩谷先輩だった。
「なぁ,結城。お前全然寝てないんじゃねぇの?
ずっと綾坂ちゃんのところにいるじゃん。そろそろ寝ないと倒れるぞ。」
「でも、先輩。七瀬がこんなに頑張ってるのに俺だけ寝るとかできません。」
「その気持ちもな,わかるんだよ。でもな,もしさ,結城が倒れて,その時に綾坂ちゃんが目覚めたら、駆けつけられないんだぞ?
結城はさ、一般のお見舞いの人たちと違って面会時間とか気にしなくていいしさ,ICUにいてもいつでも様子を見にこれる。だから。一回休め。家でおとなしくしてろって言いたいところだけど、綾坂ちゃんのいない家に帰りたくないんじゃないか?病院に泊まってもいいから。とりあえず休んでくれ。」
「わ、わかりました。」
あやとは仕方なく休むことにした。と言っても過眠室で寝るだけなのだが。
約3日ぶりの睡眠を貪るように取った。
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