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んんっ……
〔ななせっ、、、ななせっおきてっ〕
んぅー…あや…と、の、声が、する…?
七瀬は重たい瞼を少し持ち上げた。
よく見ると自分はベットで寝ていて、左手をあやとが握っているようだ。
『あやと』。そう声に出したはずの喉からはなんの音も出なかった。
ぱっとあやとが顔を上げた
「ななせっ、、、よかったぁ、、、ほんとにっ今度こそダメかと思ったよぉ、、、」
『大丈夫』。そう言いたいのに出ない声がもどかしい。
なぜあやとがこんなに泣いているのかも気になる。
「なぁ、ななせ。一ヶ月も起きなかったんだぞ。ずっと熱も高くて。下がったと思ったら低すぎて低体温症になりかけてたし。ずっと心電図とってたけど、不安定で何回もエラーコード出てたし。何回か.いや何回も、呼吸が止まってッッ
目を覚ましてくれて…ほんっとうによかったっ。」
『ごめんね』。これも伝えられない。もどかしさだけが残る。
それと同時にそれほど深刻だったんだと。自分は生死を彷徨っていたと。ストンと理解した。
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