daylilies

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「初めまして、秋って言います。よろしく!」 桜の花びらが舞い散る2年生に進学したばかりの頃、 突然と秋は現れた。 「□□君って、秋が好きなの?」 「うん、そうなんだ。」 「名前は春に近いのに?」 「偏見じゃん」 「そっかー…いっつも本ばっか読んでるもんね!」 「それは関係ないでしょ…w」 「え〜そうかn「授業を始めるぞ〜」あ、はーい!」 (なんか今日転校してきたはずなのに、いつも…?) 僕は何となく、窓の所に飾られているオレンジ色の花を見た。 …何故か、髪にこの花をつけた秋が思い浮かぶ。 (え、何考えてるんだろ…。僕、どうかしたか…?) 違和感を覚えたが、脳内から振り払い英語の授業に集中した。 なんやかんや()あったが、 秋がこの学校に来てから数ヶ月経って僕の好きな秋が来た。 「ねぇ、□□君。」 「ん、どうしたんだ?」 「この駅にとってもお洒落なカフェが出来たんだって!一緒に行かない!?」 と、食い気味で秋は僕にスマホで検索したお洒落カフェらしき建物の写真の映った画面を顔に押し付けた。 「近い近い近いっ!見えないから!」 「あ、ごっめーん☆」 画面を離してもらえた…が、その画面に映るのは… 「あ、僕の知り合いのとこじゃん」 「えぇっ!?…□□君、ずっる!!!」 「いやずるくはないでしょ…」 「ずるい!私も連れてってよ!」 「あ〜…はぁ、分かったよ…。」 というふうに、承諾してしまったのだった。 そして今僕たちはそのカフェに居る。 「□□君!見てよこれ〜…かわいい!」 そう言って秋が見せてきたのは紅葉の形のパンケーキと色々なスイーツだった。 「すご…」 「だよねぇ…!写真撮らなきゃ!」 そう言って秋は写真を撮り始めた。 秋はよく僕や食べたものなどの写真を撮るのだが、Twitterやインスタには載せない。 前に何故載せないか聞いたのだが、 「思い出の為のものだから、載せない!」と言っていた。 秋がパンケーキやスイーツを食べ終わった頃、俺は既に会計を済ませていた。 「よっし会計…って□□君!?」 「あ、もう払っといたよ」 「なんで!?」 「なんでって…だってお前金欠だろ?バイト頑張ってるし、そろそろ誕生日だろ。」 「そうだけど…ありがと。」 「…おう。」 「なに□□君照れてんの!?w」 「違うけど???」 「照れ屋めぇっ!」 なんて会話をしながら僕達はカフェを後にした。 秋が花を見に行きたいと言ったので、近くの結構咲いている所に行くことにした。 カフェにはお昼の代わりにという感じで行ったので、今は13時程。 周りには、教室の窓に飾られていたあのオレンジ色の花がいっぱい咲いていた。 「ねぇ、□□君。この花の名前、知ってる?」 秋は近くにあったその花を一つ折り、髪に挿した。 「…確か…アキノワスレナグサ、だったっけ?」 「うん、そうだよ。」 その花…アキノワスレナグサを髪に挿した秋は、"秋が転校してきた あの春の日に僕がなぜか思い浮かんだ姿に全く一緒"だった。 「…なぁ、秋。」 「…何?□□君。」 「…秋とさ…前に会ったことなかった?」 「…え?いつも会ってるじゃん!」 「いや、そうじゃなくってさ…秋が転校してくる前にも、会ったことなかったっけって。」 「…いいや?あの時が初めてだったよ。」  今回もね。 「っ!」 僕は急に頭が痛くなった。そして、全て思い出したんだ。 「あ、き…?」 「っ、なに?□□君。」 「______」 「初めまして、秋って言います。よろしく、桜花君!」 桜の花びらが舞い散る2年生に進学したばかりの頃、 突然と秋は現れた。
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