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帰宅し、優李が購入したコーラルのぬいぐるみキーホルダーをベッドに置く。ベッドの上には抱きしめることができる大きさのコーラルがいた。ベッドに座り、コーラルをぎゅっと抱きしめる。亀の手がだらんと秀馬の腕にのった。
「……コーラル、嘘ついてごめんな」
本当は好きだけど、言えなかった。からかわれるのが怖い。弱みのような好きなもの。一度こぼしてしまった言葉はすぐに取り返しがつかないことになることを身をもって知っていた。
秀馬は中学生の時に、陰口を言われていた友達を思い出す。彼は堂々とぬいぐるみを好きだと宣言していた。クラスメイトは表面上、理解のある表情をするが裏ではバカにして笑っていた。
「同じ失敗はしない」
秀馬はコーラルを抱きしめながらベッドに寝転がる。ディスティニーワールドで歩き疲れたのか、そのまま眠りに落ちていった。
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