キックバック

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 むかしむかしあるところに、某芸人さんみたいに芝刈り機の声マネをやっている爺さんと、DJのスクラッチをするみたいに洗濯をやっている婆さんがいました。  お婆さんが川でチェケラッチョしていると、川上から大きな桃が『ドンブラコ・ドンブラコ』と大きな音をたてながら流れてきました。 「なんて腹にズンと来るイカしたサウンドだ!」  驚いたお婆さんは、手持ちのスマホアプリで『ドンブラコ』サウンドを録ると、大急ぎで家に帰りました。 「お爺さん! バイブスいと上がりけりですよ!」  お婆さんは川で見た大きな桃のことをお爺さんに話しました。 「半端ないねえ!」 「今からこの『ドンブラコ』をミックスして、アッパーなアンセムを作ろうと思うんですよ」 「それなら、ワシの芝刈り機の音も取り込んでもらおうかのう」 「いいですよ。お爺さんの芝刈り機の声マネはチェンソーみたいなサウンドなのでいつか音源にしようと思ってたんですよ」  そう言うと、お婆さんはお爺さんの芝刈り機の声マネをコンデンサーマイクでサンプラーに取り込み、ディストーションをかけてノイジーなギターサウンドにしました。  そのあと、『ドンブラコ』をイコライジングで低音を強め、まるでフェンダーのハムバッカーピックアップのベースサウンドに作り替えました。  そうして、モー娘。の「そうだ、ウィーアライブ」のコーラスをトリミングし、つなぎ合わせ、お婆さんはアンセムを作り上げましたとさ。   めでたし、めでたし  努力・未来・アビュティフォースター!  努力・未来・アビュティフォースター!  努力・未来・アビュティフォースター!  ……
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