会いたい

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「はぁ…… ヴィオラに会いたい」 公務の最中、そう頭を抱えるサイフォス。 「……自業自得ですよ。 国王陛下の公務をほとんど受け持って、ただでさえ忙しいというのに」  そう、実は…… サイフォスの父である国王は、重病を患っており。 もう半年近く、療養に専念していた。 しかし、反逆者に付け入る隙を与えないため。 そして国民に不安を与えないため、その事は隠されており。 国王の公務は、王妃とサイフォスが遂行していたのだ。 「そのうえ妃殿下の公務まで、勝手に全て受け持って……」  そう、ヴィオラには、王太子妃には公務はないと知らせており。 サイフォスが秘かに、全て肩代わりしていたのだ。 「挙句、その妃殿下に公務を妨害され。 その妃殿下のための剣術大会や庭造り、人材選考等のせいで、公務が滞ってるんですから。 を運んでる暇なんてありませんよ?」  そう、なけなしの隙を見つけて会いに行ったところで…… 冷たくあしらわれるのがオチだからだ。  そしてこれらの背景があったため。 ウォルター卿がヴィオラを嫌うのも、至極当然だったのだ。 「しかも、妃殿下の言葉で大怪我までする羽目になったというのに。 その体で毎日、」 「わかった! わかったからもう黙れ」 「いいえ、わかってません! こんな状態が続けば、確実に倒れますよっ?」 「そんなヤワじゃない」
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