第一章 爆発オチの密室

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「しばらく来られないそうです」 食堂で顔を突き合わせている俺たちに、従業員が無慈悲に告げた。 「来られない!?」 「実は、ふもとの村の除雪車が故障してしまったようなんです。この雪ですし、警察の車両が来るのはしばらく後になるかと……」 「じゃ、じゃあ救急車は!?」 「同様だそうです」 「あるあるですね」 ■■■が後ろでコーヒーを飲んでいる。優雅である。 「本当に……本当に、俺たちの中に、犯人がいるって言うのか!?」 市村が震える声で言った。 「あ、そこの従業員さん三人は除外していいと思いますよ。なぜなら~?」 ■■■がムカつく声で、俺に話を振ってくる。俺はムカつきながら、対応することにした。 「……彼女たちは、朝に出勤してきたんだろう。出勤してきたとき、この宿の入り口には雪が積もっていた」 「はい。雪かきをしないと入れませんでした」 「ならば彼女たちに犯行は不可能だ。容疑者から除外していい」 「容疑者……って」 牛島がイラついたように立ち上がった。 「お前は探偵だろうけど、ただの一般人だろ!? 捜査権はないだろう。まさか犯人あてゲームでもするつもりか?」 「お、俺はそんなつもりじゃ」 俺はあまりの剣幕にやや引きながら弁明した。俺だって正直、まだ頭が追い付かない。江藤が死んでしまったこと。そして、いつものメンバーの中に犯人がいるなんて。 「小説じゃないんだぞ、真面目にやれ!! 警察が到着するまで、大人しくここで待ってるんだ!!」 「あ、ああ、そうするよ。そうするつもりだよ……」 俺が言うと、■■■が誰にも聞こえない小さな声で、こういった。 「小説ですよ」
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