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新作会議
「さて、今年は新人も入ったことだ。早速フレッシュな意見を取り入れていきたいと思う。私は企画担当のミナミンだ。よろしく。」
「「よろしくお願いしまーす。」」
「ではちゃっちゃと議題を進めていこう。…本日の議題はズバリ、新しい兵器の開発だ。何か意見があれば言ってほしい!」
「はい!」
「お、早いねニシ君。」
「攻撃対象は生き物ですか?それ以外ですか?」
「いい着眼点だ。私としては広範囲にダメージが入るなら攻撃対象は問わないつもりだ。」
「では、毒霧などどうでしょうか。」
「ふむふむ?」
「ガス毒と言えば、吸い込むと発症するイメージが強いと思います。人間も吸い込まない工夫をしています。ならば、吸い込むのではなく肌に触れると少しずつ体内に取り込まれていく遅延性の毒霧なんてどうでしょう。」
「なるほどなるほど。」
「確かに。王国軍は脳筋ばっかだから、吸い込まない対策をすればそれでいいと思い込むな。魔術師は傲慢なやつが多いし。」
「…ヒガシ君って元王国軍だったよね?罵倒がすごいね。」
「恐縮です。」
「うん、褒めてないよー。話戻すけど、ニシ君の案だと、対象は人間のみってことでいいのかな?」
「いいえ。草木を含んだ生物全てです。徐々に、じわじわと全ての命が奪われます。濃度で進行具合を調節できるのがベストですね。香りは新緑の朝露の香りにしましょう。森暮らし長かったんで、よりナチュラルな香りを追及して見せます。」
「あんまりいい香りだと、人間馬鹿だからすぐ深呼吸し始めるぞ?肌からじゃなく直に吸い込むことになって、本末転倒じゃないですか?」
「…なんで人間て馬鹿なの?」
「馬鹿だからだよ。」
ニシ君の疑問にヒガシ君があっさりと答える。
「よしよし。ヒガシ君はどうだい?」
「俺はニシさんの案でいいと思います。」
「よっしゃ!じゃあこれで局長に通すよ!新人たちよ、朗報を待て!」
「「はーい」」
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