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ロマン武器
ヒガシ君とニシ君は新人研修のため、各班を週替わりで行ったり来たり。今週は武器開発班にお邪魔してます。
「何作ってんですかキタ先輩。」
「おーヒガシか。何作ってるように見える?」
「……筒?大砲?」
「方向性はあってるな。」
「で、何作ってんですか?」
「これはな…」
キタ先輩はシュバ、スタッ、チャキーン!となにやらポーズを決めて、
「レーザー兵器さ!」
どやっ、とキメ顔で言った。
「へー……レーザーって何ですか?」
「そこからかい!」
レーザーってのは高出力の光熱源を射出して相手をぶった切ったり焼き殺したりするもんだ。かっこいいだろ。
「いまいち説明だけだとすごさがわかんないすけど、魔法じゃダメなんですか?」
「ばっかお前、こんな魔法使えるやついやしねぇよ。でもこれが開発できれば魔力込めるだけで一級魔術師団なんて相手にならんレベルの火力持ちになれるぜ。」
「よくわかんないっすけど……かっこいいですね!」
だろーん!とキタ先輩が鼻高々に説明しているところにニシ君もやってきた。
「ヒガシーん、キタッち。何やってんの?」
「今キタ先輩が作ってる武器について話してた所です。」
「ニシか。お前確か魔法得意だよな?俺の作ってる武器が完成すれば、お前の魔法とどっちが火力高いか勝負しようぜ。」
「へー、どんな武器作ってるの?」
かくかくしかじか…
「レーザー……」
「お、さすがのニシもビビったか?なんせレーザーだからな、当然だな。」
ニシ君はぶつぶつ何か唱えて、指先からビュンってレーザーをだした。
「…はひ?」
「レーザーって言葉じゃないけど、エルフの禁忌魔法の一つに似た魔法がありますよ?この出力をあげれば、レーザーってことでいいんでしょ?」
「うそ…だろ。」
キタ先輩は絶望した顔で膝から崩れ落ちて「終わりだ…」とか言ってる。
「ニシさん、それって誰でもできる魔法なんですか?」
「禁忌魔法に通じていて、魔力量高ければ誰でも。んーでもまともに使いこなせるのは僕含んで片手で数えるくらいかな。」
「…ふふ、そうだろ。そうでなくては困っるてんだ。」
「あ、キタ先輩が復活した。」
「おいニシ!これが完成したらお前のレーザーとどっちが強いか勝負だ!首あらってまってやがれ!」
「?わかったー。楽しみに待ってるよーん。」
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