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「え、冗談でしょ?」
冗談。そう断ずるには隼人の言動があまりに自然すぎて、僕は薄寒いものを感じる。まるで本当に僕のことを忘れてしまっているかのような。
「いや、まじで誰?人違い?」
尚も隼人は怪訝そうに僕を見る。
やめて、そんな目で僕を見ないで。
「だって、放課後にゲーム返すからって・・・」
僕が一歩歩み寄るのと同時に隼人が後ずさる。この場だけ時間が止まったかのような静寂。
「何?なんの話?怖いんだけど・・・」
何か、当たり前の日常が反転してしまったかのような空気。もう二度と昨日までには戻れなような空気。
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