5

2/3
前へ
/19ページ
次へ
「え、冗談でしょ?」 冗談。そう断ずるには隼人の言動があまりに自然すぎて、僕は薄寒いものを感じる。まるで本当に僕のことを忘れてしまっているかのような。 「いや、まじで誰?人違い?」 尚も隼人は怪訝そうに僕を見る。 やめて、そんな目で僕を見ないで。 「だって、放課後にゲーム返すからって・・・」 僕が一歩歩み寄るのと同時に隼人が後ずさる。この場だけ時間が止まったかのような静寂。 「何?なんの話?怖いんだけど・・・」 何か、当たり前の日常が反転してしまったかのような空気。もう二度と昨日までには戻れなような空気。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加