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「それで、そのノートには何て書いてあったんだよ?そもそも、うちの学校の七不思議って何があるの?」 夕刻、下校中。工事中の道路を避けながら隼人と二人で長い影を引きずり歩く。 例のノートの話をすると隼人が食いついてきた。 「六番目まではありきたりだったよ。音楽室のベートーヴェンの絵が夜中に動くとか、校庭の鉄棒の下に戦争で亡くなった兵隊が埋まってるとかさ」 見せようと思って図書室から拝借してきた本をランドセルの中から取り出そうとするが、隼人に制された。そこまで興味はないから、話すだけでいいらしい。 「忘れ者は?」
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