番外編47:犬の日記帳(初代様×犬)

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番外編47:犬の日記帳(初代様×犬)

犬の日記帳(初代様×犬) ※犬の日記帳ネタは書籍版の【初代様】に出てくるネタです。 犬が消えて10年後くらいの初代様 (魔王になるずっと前。三十歳くらい) 初代「……これと同じ書き方は、前のページでも出てきたな」ぶつぶつ 初代様は犬を探す手がかりの為に犬の残した日記帳を毎晩必死に解読しているよ! 犬の日記帳の文字は、1000年くらい先の未来の文字なので、初代様には読めないんだよ! 初代「……よし、なんとなく分かってきた。そろそろ俺の過程した文法を当てはめて読んでみるか」 でも、初代様は地頭が良いし、持ち前の努力と執念深さで、とうとう解読までこぎつけたよ! 初代「これで、アイツがどこに行ったのか手がかりが掴めるかもしれねぇ。っくそ、マジで長かった」 初代様は静かに日記帳を見つめたよ! 初代「……でも、これで。何の手がかりも見つけられなかったら」 その手はちょっと震えてる! 初代様「いや、ンな事考えたって仕方ねぇだろうが。そうなったら別の方法で探せばいいだけだろうが……ダセェな」 初代様は必死に自分を鼓舞してる! 健気かよ! 初代「ともかく、まずは解読からだ。……なになに?しょだい、さまは……(最初の一文から俺の事かよ。さすがというかマジでアイツ)」 初代様は最初の一語目が「しょだいさま」だった事に、ちょっとにこっとしてる。 犬が居なくなって久々に笑ってるって、本人は気付いてないよ! 初代「しょだい、さまは……ん?」 ≪初代様は今日もクズだ≫ 初代「は?」ポカン ≪初代様は強いけど性格が悪い。クズ過ぎる!これが本当に初代勇者なのか!≫ ≪初代様はすぐ怒鳴る。こわい。あとクズ!≫ ≪初代様は好き嫌いが多い。今日はごはんを投げつけられた。ひどい。このクズ!≫ 初代「……っふーーー」 初代様は所せましと並ぶ「クズ」の文字に天を仰いだよ! 初代「クズクズクズクズ書きやがって。あの、駄犬が……やっぱ俺にムカついてたんじゃねぇか」 お、怒ってる? でも、初代様の解読は止まらない! ≪初代様はモテモテ過ぎて、どこに行っても貞操の危機だ。今日は村の女の子に股間を触られてた。ちょっとかわいそう≫ ≪初代様が今日初めてごはんを全部食べてくれた。嬉しかった≫ ≪初代様と一緒にエクスカリバーでヒュドラに技をかけた。楽しかった!≫ 初代「……っぅ」 あわわ! 初代様、泣きだしちゃった! 初代「……よ゛、よ゛がっだ」 初代(あいつは、犬は……やっぱり〝居た〟んだ。俺の、妄想じゃ、なかった)ぼろぼろ 初代様、十年以上犬と会えなかったせいで「犬って本当に居たんだっけ?」って不安になってたみたい! 自分だけの妄想のイマジナリーフレンドか何かだったんじゃないかって思ってたんだね。 だから、犬の日記と自分の記憶がピッタリ重なってホッとしたんだよ! 初代「……この世に、居るヤツなら。会えないワケがない。それがたとえ同じ時代に居なくても」 こうして、初代様は日記帳を全部読んで犬に会う為に頑張る決意をしたよ! 犬の日記帳を全文読んでる時の初代様の反応を、近いうちにSSしたいな! 後半、犬も初代様が好きだなぁって内容を書いてるので、その辺の初代様の反応を書き綴りたい所存! ちなみに、この日記帳は犬と再会した後も大事に大事にとってあります。
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