3つの超能力(11)

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3つの超能力(11)

 果たして、何回目でステップ2をクリアできるのか。ステップ2の1セット目が始まった。  ナナの娘リンは、その場から消え、角野教授はスマホのタイムを押し。4ヶ所に確実に5回連続瞬間移動できたら、この場所で「OK」と宣言し。角野教授は、スマホのタイムを止める。  角野教授は、1セット目でクリアすると確信していた。なぜなら、ステップ2の1回目の検証で、4ヶ所に確実に続瞬間移動できたから。  ところが、1セット目でクリアすると思われていた、タイムは1分30秒かかっていた。そのことに、つい角野教授は、「なんでこんなタイムに……」と呟き。  すると、ナナの娘リンは、いきなり謝り。言い訳をするつもりはないけど、ドッグランでタイムを計る環境と、今の環境とでは、集中力が欠けてしまうと言う。 「確かに、ここは静かな場所だが。それにしても、慣れ親しんだ場所なのに……そんなものなのか……とにかく、数をこなせばなんとかなると思うが……」 「そうですね、やってみます。体力には自信がありますりので。それに、お姉ちゃんが隣にいるから大丈夫、ねぇ、お姉ちゃん?」 「リンちゃんなら大丈夫、根性いいからね」 「何それ!? あっ、そうそう、それに教授もいるし」 「私はついでか!?」 「教授、始めるわよ、タイムお願いね」 「わかった」  ステップ2の2セット目が始まった。しかし、5セットやってもタイムが変わらない。本人に疲れまったく見られず、目は輝き、何か楽しんでいるようで。1000セットやっても平気だと言う。ただ、ちょっと小腹がすいたかなと言っていた。  そんな中、6セット目から、タイムが徐々に速くなり。8セット目で、58秒を記録した。ところが、ステップ2をクリアしたのに、限界までやってみたいと言い出し。やはり、そうなるよなと、あとの2人は思っていた。  結果、ステップ2のタイムは、9.8秒まで縮み。ナナの娘リンは、これが今の私の限界ねと言い。今日中に、ステップ4まで進みたいと言っている。  角野教授のスマホの時計は、午後2時50分を過ぎ、1回休憩をはさもうと思っていると。またしても考えを読まれたのか。ナナの娘リンは、今調子が上がっているので、休憩なしの方がいいと言う。  そう言われると、角野教授は、本人の意思に任せ、それに従うしかない。ただ、無理はするなと言い。ステップ3が始まった。
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