【きゃぴにゃんvs.イケワン】2.好物歓迎です

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 同じタイミングで各自のスマホがデータファイル受信を知らせて震えた。 「ケースファイルのナンバーとパスワードを送ったわ。各自のアカウントで見られるから、すぐに確認して。ターゲットの移送予定は4日後よ。カレンはヘリと、3人の装備の手配も頼むわね」  松織はそれだけ言うと、とっとと自分の部屋へ引っ込んだ。もう定時は過ぎているが、あの様子では、まだまだ仕事をするようだ。  3人。そう。実働部隊は久遠、郷美、榊の三人だ。カレンは、ITを駆使してそれをバックアップする。 「はーい、ボス」  いい返事をすると、カレンはPCからケースファイルに接続した。 「俺たちは帰るよ」 「お先」  榊と郷美はさっさと帰って行った。 「脳に、AI同居させたのか」  カレンが呟いた。 「でもさ」 「ん?」  隣のデスクで同じく資料を眺め始めた久遠が視線は動かさずに返事をした。 「20歳だって」 「優秀なコらしいけどな。H大学の2回生半ばで行方不明になってる」 「久遠たちが無事に連れて帰ったところで」  ちらりと久遠の視線がカレンを掠めた。
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