【CrazieR】1.納豆ピザトースト

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「あーあー、夜勤なー。悪かったな。こっちも緊急で。ほら言ってただろ、抑制剤、処方して」 「オマエに?」 「アホか。こっちだよ」  あ?と顔を上げた医師らしき彼は、ハヤセを認めると僅かに眼を細めた。 「……何でこいつが」 「知り合いか」 「まあ、そこそこ。……お前、Ωだったのか」 「違う」 「……って言ってるけど。荻野?」 「アホ!俺が抑制剤飲んでるからまだどーにかなってんだよ。俺を犯罪者にさせんな!」 「喜べ。こいつが相手じゃ、襲った方がご愁傷様だ。強姦犯になる前に間違いなくお前はこの世から抹消される」  け、と面倒そうに言いながらも、 「体重計は?ほらハヤセ、ちょっと血ぃ抜くぞ。簡易検査で10秒で……、うわ、マジΩ。お前、いつ覚醒した?」 「知らない。香は?」 「あ――。あいつに会いにきたのか。ほら、これ飲め」  ぽい、とハヤセの口にカプセルを放り込み、 「荻野、水」  飛んできたペットボトルを渡してやると、ハヤセはさっさとそれを飲み干した。 「まず……」  温い。 「松織な?SITの上級捜査官になって、ヤンチャ坊主どもをまとめてる」 「…………会えるか」 「どうかな」 「シンブリード」
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