【CrazieR】 2.甘くないパンケーキ

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「俺の身が持たねえ。どんだけお前に手間暇取られてると思ってんだ?俺は、親でも兄弟でも恋人でもねーの!そのうち、廃業よ?このままじゃ」 「……そうだな」  なんてやりとりの後。  珍しくハヤセに飲みに行こうと誘われて。  荻野、今度こそ泥酔。 (……二度と連れて歩かない)  なんて思われつつ、ハヤセに担がれていたことも知らず。    気持ちよく翌朝の朝寝を楽しんでいたつもりだった荻野は、音もなく入ってきたハヤセに思い切り頭を叩かれて、そのまま自分の事務所のソファに沈んだ。 「やっと一件終わったんだし、今日は休む」  げし! 「う、げ!」  容赦なく荻野の腰の上に腰掛けたハヤセは、涼しい顔でもっさい顔を見下ろした。 「トーストは?」 「お、もい。降りろ」 「トースト 」 「食いに、連れてって、やる、から」  ぱち。大きな瞳で見つめられ。  もそ、と起き上がると荻野はため息をついた。 「……お前。可愛いだろそれ」 「うるさい。早く行こう」  ここしばらくで荻野が確信したこと。  ハヤセは、うまいものを食わせておけば大人しい。 「♫」
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