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「……Are you kidding me??」
思わずそう口走った荻野に。
「…………」
じ、と半眼で見つめ返すハヤセ。
荻野は両手を上げた。
「開業資金はほどほど貯まったし」
「は?」
しれっと吐いたそれに、荻野が眉を寄せた。
「……何したお前」
「要人警護と、顧客のショッピングのアシスト」
つまり。
ヤバい人物の用心棒と、ヤバい物品の売買?
「……それで最近ちょくちょく」
姿が見えなかったのか。
「……その辺の仕事と金輪際手を切るなら、手伝う」
「荻野」
「不測の事態に巻き込まれるのはごめんだ」
ん、とハヤセは頷いた。
「何考えてんの。香が紹介してくれた仕事だけど。芸能人の身辺警護と、ショッピングの荷物持ち。いい仕事する、ってチップ弾んでくれたから」
あ。それなら一応真っ当か。にしても、どれだけの荒稼ぎ?
「明日原 翔って、知らない?」
今、一番人気の?
トップアイドルじゃねえかよ。
本当にこいつは。頭は回るし、運動神経は抜群だし、前職のお陰か世界各国に知人は多いし、ありえん情報網にアクセスできるし。見た目も普通じゃないが、中身もぶっ飛んでいる。
「お前らの交友関係って、どーなってんだよ」
「来るもの拒まず、去るもの追わず」
「それ、使い方違う」
「そ?」
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