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シルバーの無造作ヘアが妙に洒落て見えて。それなりに着こまれた雰囲気のあるダブルのライダースジャケットは見るからに高級なものだが、完全に彼（彼女？）のものになっている。白のTシャツに、細身のパンツに、ブーツ。
（完璧なロッカーズスタイル。すげー似合ってるな。モデルかよ）
そして、彼？彼女？の右眼には、きれいな眉から下瞼を通過するように、一本の傷が付いている。
振り向いた、たったそれだけの身のこなしに、ほんの少しの隙もない。
（……野良猫……豹か。こいつ、一般人じゃねえ）
そして、それを見た瞬間。
身体中に走った電気のようなそれに、一気に荻野が緊張した。
そして。
「お前。ちょっと来い。Heat中のΩが、フェロモンダダ漏れで歩き回ってんじゃねえよ」
それが今じゃ。
今日はあのライトキスで完全に火がついて。
営業時間中、ずっと身体が疼いていたんだろう。
もう、感度がいいこといいこと。
「……あ……」
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