【CrazieR】 3.どノーマルな肉食

7/11
前へ
/403ページ
次へ
 そう。思い出したのは、これだ。 「荻野、時間!」  玄関で、とりあえず叫んでみた。  反応なし。 「荻野、時間!!」  もう一度、叫んでみた。  反応なし。  ブーツを脱ぐのは面倒だな、と思いつつやっと足下に視線を落とすと、 「…………」 (マジか)  そこには、高級ブランドのハイヒール。  足音がして顔を上げると、 「……?……誰?」  いかにも、「昨夜はしっかりやってました」的な、そこそこ魅力的な体型の、色白・銀髪ショート・間違いなくハーフかクオーターだろうそこそこ綺麗な女がバスローブを着た状態で目の前にいた。  ムカ。 「理?お客さん……、ちょっと」 「あー……?」  半眼になったハヤセはブーツを脱ぐこともなくそのまま室内に上がり込み、声のした方へ真っ直ぐに歩き始めた。 「ちょっと、靴」  後ろで聞こえる声などお構いなし。  半開きになっているドアをぐ、と押すと 「……お。そーだった……。おはよ」
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

658人が本棚に入れています
本棚に追加