【CrazieR】 4.コーヒーと、一時停止

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【CrazieR】 4.コーヒーと、一時停止

「……何で」 「知るか」 「やだ」 「諦めろ」 「何とかして」 「無理」 「金ならある」 「要らねえよ」 「何とかして」 「無理!!」  ム。 「睨んでも掴みかかっても押し倒しても無理なもんは無理!」  お互いに床に座り込み、額がくっつきそうに睨み合っているハヤセとシンブリード。  荻野と別れてからハヤセはシンブリードを呼びつけていた。  夜勤明けで呼びつけられ、すこぶるご機嫌斜めなところに、 「この身体を何とかしろ」  なんてΩさまからの無茶苦茶なオーダー。シンブリードもブチ切れ寸前。 「自分に抵抗すんな。とっとと抱かれてこい!!」  ぴた。 「はあ?」 「あいつの声聞いて、触られて身体が反応すんだろうが。女のことも、そりゃ嫉妬だ!お前は、正真正銘、あいつのことを欲しがってんだよ!!」  ぴた。  ハヤセの眼が見開かれている。 「俺、男」 「知ってるわ」 「荻野、男」 「知ってるわ!」 「俺、今まで女しか抱いたことない」 「だから!?」 「抱かれるとか、無理」 「知るか!お前、荻野を抱きたいのか?」  げっそり。 「絶対無理」 「でも」  シンブリードがため息をついた。
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