【CrazieR】 4.コーヒーと、一時停止

4/7
前へ
/403ページ
次へ
 人相の良くない3人が、ニヤニヤしながらハヤセを見下ろしている。  目的のコーヒー店は数ブロック先。  そう言えば、この時間帯、この辺りはあまり一人で出歩くなと言われていたんだった。  ぬかった。  勝手にぶつかってきたくせに、こいつら。 「なあ」 「触るな」  伸びてきた手を払いのけ、あっさりと言い切ったハヤセに、一人が笑った。 「ちょつとさ、付き合わない?」  靴の音がして、三人に囲まれた。  はあ。  この雰囲気。  これは。  喧嘩を売ってるんじゃない。  こいつら、何か勘違いしてないか。 「お前ら。何か勘違いしてない?」  ハヤセが呆れ気味に言えば、 「何をだよ?」  にやついた一人が即答した。 「俺、男だけど」 「だから?そんだけキレイなら楽しめそうじゃん」  そうそう、ともう一人が下衆な笑みを浮かべて、左側のビルの隙間に視線をやった。 「最近、流行ってんだろ。あんた、男とヤったことありそうじゃん」  あまりの気持ちの悪さに、ハヤセは身震いをした。 「……病院送られても文句言うなよ」 「へー、言うなあ」  とは言ったものの。
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

657人が本棚に入れています
本棚に追加