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人相の良くない3人が、ニヤニヤしながらハヤセを見下ろしている。
目的のコーヒー店は数ブロック先。
そう言えば、この時間帯、この辺りはあまり一人で出歩くなと言われていたんだった。
ぬかった。
勝手にぶつかってきたくせに、こいつら。
「なあ」
「触るな」
伸びてきた手を払いのけ、あっさりと言い切ったハヤセに、一人が笑った。
「ちょつとさ、付き合わない?」
靴の音がして、三人に囲まれた。
はあ。
この雰囲気。
これは。
喧嘩を売ってるんじゃない。
こいつら、何か勘違いしてないか。
「お前ら。何か勘違いしてない?」
ハヤセが呆れ気味に言えば、
「何をだよ?」
にやついた一人が即答した。
「俺、男だけど」
「だから?そんだけキレイなら楽しめそうじゃん」
そうそう、ともう一人が下衆な笑みを浮かべて、左側のビルの隙間に視線をやった。
「最近、流行ってんだろ。あんた、男とヤったことありそうじゃん」
あまりの気持ちの悪さに、ハヤセは身震いをした。
「……病院送られても文句言うなよ」
「へー、言うなあ」
とは言ったものの。
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