【CrazieR】 5.すげー変貌しやがった

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「本気……っ」  ぐ、と顎を掴まれ、テーブルに乗り上げた荻野の唇とハヤセのそれが重なった。  ふわり、とハヤセの体からフェロモンが香りたった。 (……おいおい。抑制剤通り越してんな)  どく、と荻野の心臓が鳴る。 「ん、ん……」  舌が絡み、鼓動が更に速くなる。 「ん」  息すらさせてもらえないほどに貪られるようなキス。  頭の芯が溶けるようで、ハヤセの首から力が抜けた。   「試してみる?」  やっと離れた唇は、濡れて気持ちが悪い。  けど。  身体が、一気に燃え上がった。 「だ、けよ」 「違うだろ」  くす、と荻野が低く笑った。 「抱いてください。お願いするんだろ?」  いつの間にか、後ろから抱きすくめられてうなじを舐められた。  びくん!  つ、と白く細い喉に男らしい指が這うと、ひく、とそれが震えた。  ゆっくりウエストから滑り込んだ手のひらが胸を撫で、うなじに荻野の唇が滑る。  びくん!  やばい。  これだけで、馬鹿みたいに感じる。  こんなの、  初めて。  嘘、だろ。 「お前だけだと思ってた?」  びくん!
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