【CrazieR】 5.すげー変貌しやがった

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 低く唸ったそれに、更にハヤセが煽られる。 「イ、く――――……」 「……ん……っ」  これ以上ないくらいに、ハヤセの身体が収縮した。  荻野が眉を寄せて耐えるようにハヤセの腰を掴んだが、遅かった。 (……しまった)  いつの間にか本気になっていた荻野のそれは、相手がHeat中のΩであることを確信して完全に形を変えていた。  Ωを征服する、雄のαの茎。  種を注ぎ終わるまで、Ωの体を離さないように、完全に凶器に変貌している。 「ぃ……」 「悪い。痛いな」  初めての体には、相当辛いだろう。  いつの間にか青い顔で眼を開いたハヤセの額に、荻野はそっと口付けた。  僅かに体を動かしたハヤセがぎゅ、と眼を瞑り、荻野がそれを動けないように抱きしめた。 「辛いだろうが、動くなよ。動くと体内が裂ける」 「っつ……」 「動くな。身体ん中にナイフ突っ込んでるようなもんだ」 「ナイフ……」  ハヤセの目の前がくらりと回った。  腹の中が、熱い。 「ハヤセ?」  少し、苦しい。 「おい」 「……ん」  けど、まあ、こいつなら、……いいか――……。
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