【CrazieR】 6.CrazieR、開店です

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「何で」 「噛んだら」 「は?」 「あんたが俺のうなじを噛んだら、教えてやるよ」  一瞬、荻野は眼を丸くして。  何を言い出すんだと思えば。 「すっげー愛の告白だな、それ」 「ここ見て」 「ん?」 「あんたと同じにした」  指で刺されたハヤセのうなじには。 「あ」  荻野のうなじの黒子と同じ場所に、ぽつんとタトゥーが入っている。  うっわ。マジか。ゾクゾクする。 「いつの間に」 「噛むだろ?」 「選択肢くれんのか」  含み笑いをしながら柔らかくなっているハヤセの体を仰向けにしつつ。 「すっげえ、ビンビンになってる」 「うるさい」  胸の突起が赤く充血している。 「触られたい?噛まれたい?」  かし、と歯で軽く噛んでやれば、もう足の間のシーツが湿り始めた。 「選択肢なん、て……」  くす。 「要らねえよ」  このまま突っ込んだって、ハヤセはきっと怒らない。  でも。 「焦らす、な、よ」  Heat中のハヤセは、とことん身体が敏感になって、「待て」ができなくなる。だから、荻野はほくそ笑みながら、とことん主導権を行使するのだ。 「嫌だね。とことん焦らして、たまにはこれ以上ないってほど泣かせてから」
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