【CrazieR】 6.CrazieR、開店です

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 ピザ各種、ステーキ各種、サラダ各種、スープ各種、洋風の煮込み料理。 「残ったら、パック詰めするから、持って帰って」 「マッジかよ」 「酒は何にする?」  たったの5人でこれだけ騒がしくなるなんて。  荻野はやや呆れた顔で連中を見回していたが、 「うわ、めっちゃくちゃうまい、この煮込み」 「ステーキ、焼き加減最高。ソースがめっちゃくちゃうまい!」 「このクラスト、サクサクでふわふわ。焼き加減絶妙で、チーズの香りがいい!」  なんだかんだ言って、結構みんな舌が肥えていそうだ。 「給料出ても、時間がなくて旅行や趣味にってなかなかならなくて。食べ物くらいにしか使えないんですよね」  ナイス解説、月城。  ナルホドね。  ハヤセも何となく楽しそうだ。  「遅くなったー。うわ、うまそーだな。ハヤセ、生ー」  シンブリードも途中参戦し。 「はい」 「サンキュ。月城。そっちの煮込み取って。へえ、榊のピザうまそーだなー」 「切ります?」 「そっちのと両方」 「遅いじゃん、アディー!」 「う、わ!ジェイ!くっつくな!」 「やだ、ふふー!」 「誰だ、こいつに飲ませたの!」  シンブリードの隣に陣取ったカレンが、何やらえらい勢いでイケメンに懐いている。 「相変わらず、愛されてますねえ」 「嬉しくねえよ!」 (あの、人嫌いの偏屈ものの天才が、完全に馴染んでる。あいつら一体どんな集まりだ)  不思議そうにハヤセが彼らの楽しそうな団欒を眺め。 「ねえ、マスター」 「ん」 「荻野さんとの出会い、話してよ」  ふん、とハヤセはそっぽを向いた。
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